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文学部って何の役に立つの?

 


7月24日、今日の京都市左京区は晴れ時々曇り。

 


最近、「それってどうなん?」

って思ったことが2つありました。

 

 

1つは、2時間飲み放題プランの40人ほど入れる居酒屋のお座敷でのこと。

 

 

別に羽目を外している人もいなく、
ワイワイ楽しそうに談笑しているサラリーマンやOLさんたち。

確かにみんな好き好きのことをしているからまとまりは無い。

だからと言って、アルバイトのお兄ちゃん!

この程度のご機嫌な酔っ払い相手に、そんなに鬱陶しそうな顔で給仕してはだめだよー。

感じ悪いよ。。。

 

 

2つ目は、超超有名国立大学文学部の男子学生に向かって、
ふたまわり近く上のお医者さんがいった言葉。

「なんで文学部なんかに行ったん?なんの役に立つの?」

耳を疑いました。社会で立派な立場にある人が、夢溢れる学生に言う言葉でしょうか?

 

 

なんとなく言いたいことはわかります。

娘たちの進路相談ででも、学校の先生たちは、就職しやすいと言う理由だけで、
文系よりも理系に進むことをすすめてきましたから。


「歴史と語学を学びたかったので文学部にしたんですが、間違ってたんでしょうか?」
と、聞かれて、そんな事はない!
と色々な例を出して文系だからこその素晴らしさを伝えたんだけど、

今日、「そう!こういうことを言いたかったの!」と思う記事を見つけたので、
長くなるけど一部をコピペします。

 

 

【文学部って何の役に立つの? 阪大学部長の式辞】

 

 

「みなさま、本日はご卒業・修了まことにおめでとうございます」
と始まり、ここ数年間の文学部・文学研究科をめぐる社会の動向について、
「人文学への風当たりが一段と厳しさを増した時期であったとみることが出来るでしょう」
とふり返ります。

 

 

「税金を投入する国立大学では、イノベーションにつながる理系に重点を置き、
文系は私学に任せるべき」といった意見が出たことなどを挙げながら、
「文学部で学ぶ哲学・史学・文学・芸術学等の学問を学ぶことの意義は、
どのように答えたらよいのでしょうか」と問いかけます。

 
「医学部」「工学部」「法学部」「経済学部」などの実例を挙げた上で、
「先に挙げた学部よりはるかに少なそうです。つまり、文学部で学んだ事柄は、
職業訓練ではなく、また生命や生活の利便性、
社会の維持・管理と直接結びつく物ではない、ということです」とした上で、こう述べます。

 

 

 「しかし、文学部の学問が本領を発揮するのは、
人生の岐路に立ったときではないか、と私は考えます」

 

 

「今のこのおめでたい席ではふさわしくない話題かもしれませんが、
人生には様々な苦難が必ずやってきます」

 

 

「恋人にふられたとき、仕事に行き詰まったとき、親と意見が合わなかったとき、
配偶者と不和になったとき、自分の子供が言うことを聞かなかったとき、
親しい人々と死別したとき、長く単調な老後を迎えたとき、
自らの死に直面したとき、等々です」

 


「その時、文学部で学んだ事柄が、
その問題に考える手がかりをきっと与えてくれます。
しかも簡単な答えは与えてくれません。
ただ、これらの問題を考えている間は、その問題を対象化し、
客観的に捉えることができる。それは、その問題から自由でいられる、
ということでもあるのです。
これは、人間に与えられた究極の自由である、という言い方もできるでしょう」

 

 

「人間が人間として自由であるためには、
直面した問題について考え抜くしかない。
その考える手がかりを与えてくれるのが、
文学部で学ぶさまざまな学問であったというわけです」

 

 

 


インタビューでは、このように答えられていました。

 


『人文学は人生の岐路に立ったときに真価を発揮する』
という考えは以前から持っていて、
2016年の大阪大学文学部案内の巻頭言にも書きました。
特に人文系に対する風当たりが強い昨今、
卒業していく学生さんたちに、
『きみたちが学んできた学問にはこんな力があるんだよ』と伝えて、
世の中に対し少しでも
顔を上げて生きていっていただけたらという思いでこのテーマを選びました」

 

 


その学生さんにこの記事のURLを貼り付けてラインしました。

文系の娘たちにもラインしました。

 

 

みんな自信を持って、生きる力をつけて
自分が選んだ人生を歩んでくれたら・・・と、願ってやみません。

 


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